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展覧会のご案内 2012年10月5日更新
平成24年度展覧会スケジュール
春季展「自筆原稿の魅力」
会期:3月10日(土曜日)から4月15日(日曜日)
内容: 武者小路実篤記念館では、現在、200タイトル余の実篤の原稿と、70点余りの交流のあった人々の原稿を収蔵しています。 実篤が作家としてデビューする前の原稿から、代表作「愛と死」や「真理先生」、仙川の家で執筆した自伝小説「一人の男」や美術紹介の原稿など、そこに著された実篤の人間讃美の思いを知る機会とし、また、自筆原稿から伝わる作者の息遣いに触れていただきます。

春の特別展「手紙に見る 実篤への思い」−岸田劉生・長与善郎・千家元麿−
会期:4月28日(土曜日)から6月3日(日曜日)
内容: 武者小路実篤が明治43年に志賀直哉らとともに創刊した同人雑誌『白樺』は、自然主義文学が主流だった当時の文壇において、自我の肯定、個性の尊重を標榜して、同世代の若者達から強い支持を受け、続く大正時代の文学の新しい流れを作り出しました。
白樺創刊同人の中でも、実篤はその著作でこうした姿勢を最も鮮明に主張し、時代のオピニオンリーダーとなりました。
多くの読者が影響を受けましたが、とりわけ画家の岸田劉生、小説家の長与善郎、詩人の千家元麿は、実篤の著作と出会ったことで、突き動かされるように創作の道へ入っていきました。彼らは、それぞれの道を切り開いて行く中で、時に実篤を精神的なよりどころとしました。
東京で互いに近く暮らしたときには毎日のように会い、実篤が大正7(1918)年に人間らしく生きられる理想社会の実現を求めて宮崎県に新しき村を創設するなどして遠くはなれたときには、繁く手紙をやり取りしています。
当館は実篤宛の書簡を783通収蔵していますが、このうち、岸田からのものは89通、長与からのものは121通、千家からのものは94通にのぼります。彼らは一様に、遠くはなれて逢えないことを淋しいと訴え、逢いたいと願い、実篤の夢を見たとまで書いています。
今回の特別展では、この三人の手紙に注目し、実篤との交流の様子や、彼等にとって実篤はどのようなそんざいだったかを読み解きます。

企画展「かお」−肖像と表情−
会期:6月16日(土曜日)から7月16日(月曜日・祝日)
内容: 実篤は画を描くとき、鏡をのぞけばすぐ描ける「自画像」を多く残しています。また、40歳頃に描き始めるきっかけとなった、子供を描いてみたいという願いどおり、三人の娘や安子夫人を描いており、そうした作品からは父・夫としての暖かい眼差しが感じられます。
当館が所蔵する実篤の自画像や肖像画をご紹介し、併せて実篤愛蔵品から「かお」をテーマに選りすぐり、作品の表情から実篤の美術作品に求める思いを知る機会とします。

夏休み企画「もっと知りたい 武者小路実篤」
会期:7月21日(土曜日)から9月2日(日曜日)
内容: 「友情」「愛と死」「人生論」、様々な美術論をはじめとした執筆活動、独特の作風で親しまれている書画の制作や美術コレクション、新しき村の運動と多彩な活動をした武者小路実篤の90年の生涯を、夏休みの小・中学生にもわかりやすい解説でご紹介します。
また、夏休みの子供たちを対象に、さまざまな関連行事も開催します。

秋季展「美を求めて」〜実篤コレクションから〜
会期:9月8日(土曜日)から10月14日(日曜日)
内容: 実篤は古今東西の美術に親しみ、その作品から作家の心に触れることに喜びを感じ、また自らも多くの美術品を収集していました。
当館で所蔵する、古美術を中心とした200点余りの実篤の愛蔵品の中から優品と、彼の著作から愛蔵品への思いをご紹介します。

秋の特別展「本の美」−装幀と挿絵−
会期:10月27日(土曜日)から12月2日(日曜日)
内容: 日頃、何気なく手にとって読んでいる本の装幀や挿絵は、本の形や材質、デザイン、制作者の視点や思いなどが凝縮されたひとつの作品となっています。
武者小路実篤の著作や『白樺』をはじめ彼が関わった雑誌の装幀と挿絵は、若い頃から親交の深かった岸田劉生、梅原龍三郎、河野通勢、中川一政ら、日本の近代美術を代表する画家が手がけています。
大正6年から昭和初期にかけて、武者小路作品の装幀・挿絵の多くは岸田劉生が担い、それらは、彼の装飾を追求し自身の制作を反映した作品となっています。反面、文学作品によりそいながら、作品理解と想像力で独自の世界を確立した河野通勢や中川一政もいます。また、40歳頃から画を描きはじめた武者小路実篤は、自身の著作にも多くの装幀画を描いています。
今回は武者小路実篤の著作を飾った、それぞれの画家たちの装幀・挿絵作品の原画や下図、実際に出版された本を展示するほか、自筆原稿、装幀・挿絵にかかわる書簡資料を通して制作エピソードなどもご紹介しながら、文学と絵画が響き合う世界を探ります。

企画展「写真から読み解く 実篤とその時代」
会期:12月15日(土曜日)から1月20日(日曜日)
内容: 実篤記念館では、開館以来、武者小路実篤、白樺、新しき村に関する写真の収集、記録作業を進め、その数は、約10,000点に及びます。
数多くの写真からは、明治・大正・昭和の時代を生きた実篤が、文学・美術・演劇・新しき村など多彩な活動してきた様子やその存在感が伝わり、さらに実篤の素顔を知ることができます。
数々の写真の中に写しだされた実篤の活動をたどり、背景となった時代を探ります。

企画展「もう一歩」−実篤の詩と書−
会期:1月26日(土曜日)から3月3日(日曜日)
内容: 実篤は「言葉に羽の生えると詩になる」と言います。彼の詩は、普遍的な事柄がわかりやすい言葉で書かれ、親しみやすく、そこには人を元気にさせる、前向きな実篤の姿勢が表れています。
また、実篤の書は彼の好きな言葉や、自身の詩や短い言葉を、味わいのある独特な線で書いています。
詩と書を通して、実篤の思いを知る機会とします。

春季展「ポスターに見る 実篤文学作品」
会期:3月9日(土曜日)から4月14日(日曜日)
内容: 武者小路実篤の文学作品は、大正時代から現代まで、繰り返し舞台や映画、テレビドラマなどになっています。そうした機会に作られたポスターは、原作が同じでも、その時々で大きく印象が異なります。
実篤の文学作品を題材としたポスターを特集し、デザインをお楽しみいただくとともに、それぞれの時代に実篤の文学作品がどのように受け止められていたかを探ります。

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