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平成25(2013)年4月、調布市武者小路実篤記念館は一般財団法人として新たなスタートを切ります。これを機に、数々の資料が所蔵品となるまでのエピソードや、記念館を支えてくださった人々の思いを振り返ります。
昭和51(1976)年に実篤が亡くなった後、安子夫人の遺言に基づき「仙川の家」などが調布市に寄贈されました。旧宅と敷地は昭和53(1978)年より「実篤公園」として公開され、昭和60(1985)年、隣接する土地に調布市武者小路実篤記念館が開館します。
多作で知られた実篤でしたが、生み出すことの方に熱心で、代表作『友情』の初版本すら手元には残っていませんでした。開館当初の所蔵品は実篤愛蔵の東洋美術品約240点、図書・雑誌約1,750点と決して多い数とは言えず、とりわけ実篤自身の書画や原稿は少なかったのです。
ご遺族や「新しき村」会員を初めとするさまざまな人々の、実篤や記念館に寄せる熱い思いと収集の成果、また、東京都からの資料移管などによって、現在の所蔵品は美術品約680点、原稿約320点、書簡約1,420点、図書・雑誌約30,000点にまで膨らんでいます。
日頃は、資料の「内容」や重要度の方に目が向いてしまいがちですが、それらが記念館に入るまでにたどった「軌跡」も大切に語り継いでいきたいと思います。
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