特別展記録(昭和60年度から昭和63年度) 開館記念特別展 *パンフレット発行なし 会期:昭和60年10月28日から11月24日 内容:開館を記念して当館所蔵の資料を紹介するとともに、東京都美術館、東京都近代文学博物館、清春白樺美術館、新しき村美術館等からの借用資料を交えて、文学、美術、社会活動と多岐に及んだ実篤の業績を紹介。 「友情−志賀直哉と実篤」 会期:昭和61年4月26日から6月1日 内容:『白樺』においては闘将・殿将といわれる実篤と志賀直哉。学習院中等学科時代に出会い、性格が全く違うにもかかわらず、互いを認めあい高めあって、生涯続いた二人の友情の姿を、直哉が実篤に捧げた「暗夜行路」の草稿、実篤が志賀に送り続けた初版本を軸に、日記・書簡・愛蔵品・書画等で検証。 「美に向かって−実篤が愛した美の世界」 会期:昭和61年10月25日から11月24日 内容:『白樺』誌上での西洋美術の紹介に始まり、昭和11年の欧米旅行では各地の美術館や芸術家を訪ね、他方東洋美術をも愛し、同時代の芸術家と親交を持つなど、常に美術に深い関心を持ち続け、40歳をすぎてからは自ら筆を執り多くの人々に親しまれる独特の書画を描き出した実篤。「見て、書いて、描いた」美術活動を、愛蔵品、美術関係の著作、自身の書画等でたどる。 「愛と死」 会期:昭和62年4月25日から5月31日 内容:昭和14年に発表され、現在も文庫本の刊行が続く実篤の代表作「愛と死」。このたび発見された原稿を初めて公開するのを機に、実篤の他の恋愛小説や、作品の背景となった欧米旅行、人生論や恋愛論、映画化に関する資料などを交えて、「愛と死」の魅力を探る。 「装幀・さし絵展」 会期:昭和62年10月24日から12月6日 内容:実篤の著作を飾る装幀・さし絵の美にスポットを当て、岸田劉生・梅原龍三郎・中川一政ら親交のあった画家たち、また実篤自身による様々な装幀本とその原画を紹介。 「戯曲と演劇」 会期:昭和63年4月29日から6月19日 内容:自ら戯曲作家を認じ、多くの作品を発表した実篤の戯曲作品にスポットを当て、その魅力を紹介するとともに、それらの上演資料を集め、明治・大正の新劇運動盛んなりし時代から現代まで、どのようにとらえられ演じられてきたかを検証する。 「新しき村70年の歩み」 昭和63年10月29日から12月11日 内容:大正7年に実篤が人間らしい生き方を求めて提唱した「新しき村」の70年の歩みをたどり、実篤と会員達が求めた「人間らしく生きること」の形を探る。