特別展記録(平成11年度から平成15年度) 「絵皿・看板・包装紙−街にあふれた実篤展」 会期:平成11年4月24日から5月30日 内容:武者小路実篤の書画は、色紙はもとより陶器やカレンダー、マッチ箱、風呂敷、包装紙や看板等々、かつて様々な形で街に溢れていた。こうした複製品がそれぞれの時代にどの様につくられ、受け入れられ、また実篤の書画に何が求められてきたかを考える。 「写真に見る 実篤とその時代−I 大正期まで−」 会期:平成11年10月30日から12月5日 内容:当記念館では、開館以来一貫して、実篤、白樺、新しき村などに関する写真の収集・複写の作業に取り組んできた、その成果は約1万点に上る。写真には実篤の多彩な活動の様子や、交遊関係、素顔などを見ることができると同時に、実篤が生きた明治・大正I??ぢ昭和の時代の姿を伝える貴重な情報も写しだされている。今回は、実篤が学習院で学び、『白樺』の創刊で世に出、新しき村を創設した大正期までの写真を中心に構成。 「1910年、『白樺』創刊」 会期:平成12年4月29日から6月4日 内容:明治43年(1910年)に創刊され、大正文学の新しい流れを生み出した雑誌『白樺』が創刊から90周年を迎えるのを記念して、春秋二回の特別展で白樺を特集。春は文学を特集し、『白樺』の活動と同人それぞれの作品や業績を紹介するとともに、1910年という年をキーワードに、それが社会や文学の流れの中でどのように現れ、『白樺』の何がどのように新鮮であったかを、改めて捉え直す。 「白樺−美術への扉」 会期:平成12年10月28日から12月3日 内容:明治43年(1910年)に創刊され、大正文学の新しい流れを生み出した雑誌『白樺』が創刊から90周年を迎えるのを記念して、春秋二回の特別展で白樺を特集。秋は美術を特集。『白樺』は、雑誌や展覧会で当時まだ知られていなかったロダン、セザンヌ、ゴッホなど西洋美術の作家と作品を紹介した。こうした活動は、岸田劉生や木村荘八ら若き画家たちに大きな影響を与え、多くの人々に美術への関心を高めることとなった。白樺が紹介した美術の世界を紹介するとともに、日ごろ公開されることが少ない同人たちが所蔵していたゆかりの作品を展示。 「武者小路実篤の抽出しの中身−東京都寄贈資料を中心に」第一部 会期:平成13年4月27日から6月3日 内容:実篤没後、晩年の20年を過ごした仙川の家に遺された膨大な資料は、調布市をはじめ東京都近代文学博物館、東京都美術館にそれぞれ寄贈された。これらの資料は、実篤の活動を反映して幅広く内容豊かなもので、実篤だけでなく近代の文学や美術を知る上でも貴重なものである。昭和51年に世を去ってから25年を機会に、これらの資料を一堂に会し、都寄贈資料を中心に合計1500点に及ぶ膨大で多岐にわたる実篤の旧蔵資料の全体像を2部構成で紹介 。 第一部は、晩年の作品や、日々楽しんだ愛蔵品、実篤に寄せられたさまざまな分野の人々からの書簡など、70歳から90歳で亡くなるまでの仙川での円熟の時代を特集。 「武者小路実篤の抽出しの中身−東京都寄贈資料を中心に」第二部 会期:平成13年6月16日から7月15日 内容:実篤没後、晩年の20年を過ごした仙川の家に遺された膨大な資料は、調布市をはじめ東京都近代文学博物館、東京都美術館にそれぞれ寄贈された。これらの資料は、実篤の活動を反映して幅広く内容豊かなもので、実篤だけでなく近代の文学や美術を知る上で貴重なものである。昭和51年に世を去ってから25年を機会に、これらの資料を一堂に会し、都寄贈資料を中心に合計1500点に及ぶ膨大で多岐にわたる実篤の旧蔵資料の全体像を2部構成で紹介 。第二部では、若き日に『白樺』同人と交わした書簡を中心に、仙川移住以前の引っ越しの多い生活の中でも最後まで大切に保管した明治から昭和初期までの資料を特集。 「写真に見る 実篤とその時代−II 昭和2から20年」 会期:平成13年10月27日から12月2日 内容:当記念館では、開館以来一貫して、実篤、白樺、新しき村などに関する写真の収集・複写の作業に取り組んできた、その成果は約1万点に上る。平成11年度の「大正期まで」に続く第2回目として、実篤が日向新しき村を離れ東京に戻った昭和2年から、戦争を経た激動の20年を取り上げる。写真に写し出された実篤を通して、関連する原稿・書簡・書画などの様々な作品・資料を合わせ、彼の仕事や生活、そして当時の社会状況をたどる。 「描くということ」−白樺同人、絵画への軌跡− 会期:平成14年4月27日から6月2日 内容:白樺同人が学習院に学んだ明治中・後期の美術教育は、お手本を模写する臨画教育が中心であった。今回新たに確認された白樺同人の学習院時代の課題画を出発点として、学校卒業後絵を描くことから離れた彼らが、後年ふたたび絵画制作へ向かい、どのように自らの絵画を獲得していったかを資料と作品から検証し、描くことの意味を探る。 「仙川の家」 会期:平成14年10月26日から12月1日 内容:実篤は昭和30年12月に、清水と緑を求めて、70歳で調布市仙川に移り住み、昭和51年に亡くなるまで20年余りをこの家で暮らした。ここでは、安子夫人と老夫婦二人の穏やかな生活の中で、自らの仕事の完成の場として、執筆や書画の制作に励む日々を過ごした。仙川の家での生活や生み出された作品群のほか、実篤が愛した仙川の地の歴史や自然も多角的に紹介。 初恋・親友・そして夢へ「自伝『或る男』の青春」 会期:平成15年4月26日から6月1日 内容:新たに発見された、実篤の前半生を描いた自伝小説「或る男」の原稿の一部と、文学へ向かうきっかけとなった初恋の人“お貞さん”の当時の写真を初公開。初恋、志賀直哉との出会い、トルストイへの傾倒、白樺創刊、ロダンとの交流など運命的な出来事を中心に、実篤の青春の実像に迫る。 「思索の描写−河野通勢と実篤」 会期:平成15年10月25日から12月7日 内容:画家・河野通勢(こうの・みちせい)は、深い思索のもと、細密な描写と精緻なデッサン力で絵画を制作し、岸田劉生らの草土社で活躍、また大正期後半以降は新聞・雑誌の連載小説の挿絵で人気を博した。「井原西鶴」はじめ実篤の著作の装幀・挿絵を数多く手がけ、実篤がその作品を愛蔵した河野との生涯にわたる交流を、作品と資料で紹介。