調布市武者小路実篤記念館

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お知らせ

2013.6

梅ジャムレシピ


 実篤記念館中庭にある、新しき村から贈られた梅の木の実を使ってジャムを作る講座「作ってみよう!梅ジャム」は、平成15(2003)年以来毎年開催しており、おかげさまでご好評いただいております。
 毎年多くのご応募をいただき、抽選となるため、選にもれた方から「レシピだけでも欲しい」とご要望があり、レシピを掲載することといたしました。ものづくりの楽しさとともに、実篤と新しき村を知るきっかけとしていただけましたら幸いです。

【記念館の梅の木】
 武者小路実篤記念館の中庭には3本の梅の木があります。
 記念館は、昭和60年10月に展示室がある本館が開館しましたが、作家である実篤の本を読める施設がなく、また資料を保管する収蔵庫が満杯になったことから、増築することになり、平成6年5月に資料館が開館しました。中庭の梅の木は、この増築開館のお祝いに、新しき村から贈られたものです。講座では、この梅の実を収穫してジャムを作ります。自然に直に触れ、ものづくりを楽しむ機会としていただきたいと思っています。

〔新しき村とは〕
 新しき村は、実篤が、大正7年(1918年)に宮崎県日向の地に設立した共同体です。このころはまだ身分制度があり、貧富の差も大きく、自分の将来を自由に選ぶことは難しい時代でした。そういう時代に、実篤は、誰もが平等で各々の個性を生かせるような人間らしい生活ができる社会を実現しようと考えて、新しき村をつくりました。
 新しき村では、村が最低限の衣食住を提供します。それに対して農業を中心とした村の仕事を全員で分担し、決められた時間だけ働いて村を支えます。その時間以外は自由時間として、一人一人が文学や美術に親しみ、それぞれの個性を伸ばす時間にしました。
 新しき村は、その後昭和14年には埼玉県毛呂山町にも開き、今も両方の土地で活動が続けられています。

〔新しき村と梅〕
 二ヶ所のうち、埼玉の新しき村は、梅の産地として知られる越生にほど近い場所にあります。新しき村でも、開村して間もなく、昭和15年に梅を植林して栽培を始め、以来、長く梅を栽培・出荷して来ました。記念館に贈られた梅の木も、こうして栽培されてきたもので、栽培品種なので毎年大きな実が実ります。

☆用意するもの
〈材料〉
・梅 青い梅で作るとさわやかな味に、黄色く熟したものでつくると
   杏のようなフルーティーな味にできます。材料を選ぶ時はお好みで。
・砂糖

〈道具〉
・ホーローの鍋 なければ抗酸加工のもの。普通の鍋なら、なるべく厚手のもので。
・木じゃくし  できれば柄の長いもの
・レードル   片口お玉です。なければ普通のお玉で
・その他    ボール、ざる、竹串、ナイフ、使い捨てビニール手袋、
        キッチンスケール、電卓(%計算用)、ガラスのコップ、
        キッチンペーパー、オーブンミトンか鍋つかみ

〈容器など〉
・ジャムなどの空きビン(ガラス製で金属のフタがついたもの)
・パラフィン紙かクッキングペーパー

☆準備
・梅の実は洗って、ヘタを竹串などでキチンととる。傷や痛みはナイフで削り取る。

☆調理
1)ウメの実をひたひたの水でゆでる。
・沸騰したらアクをすくい、火を止めてザルに上げてお湯を切り、冷ます。
※種を除くときにヤケドしないよう、充分冷ますこと。お湯を切る時になるべく広げてザルに上げると、冷ましやすい。

  

  

  

2)冷ましている間に、瓶の用意をする。
・熱湯消毒用に、鍋にお湯を沸かす。
・ビンとフタを洗剤で洗ってよくすすぐ。
・パラフィン紙(クッキングペーパー)を、ビンの口の大きさに切っておく。大きすぎると蓋を締めるときに巻き込んでしまうので、ビンの口に乗る程度の大きさで。
・お湯が沸騰したら、ビンとフタを浸し、洗い籠に逆さに上げて水を切る。お湯に浸したビンは熱いので、やけどしないように注意。
・瓶の内側に水気を残さないようによく乾かす。布巾で拭く場合は菜箸などを使って、ビンの内側に手で触らないように気をつける。

3)ゆでたウメが冷めたら、手に使い捨てビニール手袋をはめて、握りつぶすようにして種を除く(木じゃくしや穴あきお玉と箸を使ってもよい)。
※種が尖っているので、力を入れ過ぎると手に傷ができるので注意。

  

  

4)つぶして種を除いたウメの実の重さを量り、その60%の砂糖を用意する。

  

5)ウメを鍋に入れ、砂糖の半分を加えて強火にかける。こげやすいので木じゃくしで鍋底をこそげるようにかきまぜながら煮る。アクが出たらすくう。

  

6)少し煮詰ったら、残りの砂糖を加えて煮詰める。火は少し弱めてもよいが、常に沸騰しているようにしておく。
※煮詰まってくると熱いジャムが飛び散るので、やけどをしないように気をつけること。

7)少量小皿にとって味見する。甘さが足りないと思ったら、砂糖を足す。
※甘味は、温かい時は強く感じ、冷えると弱く感じるので、好みより少し甘めにしておくとよい。

8)煮詰まってきて、鍋底から上がる泡が大きくなってきたら、下記のどちらかの方法でテストする。 テストするときは、必ず一旦鍋の火を止める。

〈テスト方法1〉
・コップに冷たい水を用意し、木じゃくしに付いたジャムの液状の部分を水に落としてみる。
・水に落ちてパッと散るようなら、再び火にかけて煮詰める。
・散らずに固まりのままコップの底まで落ちるようになったら、出来上がり。

  

〈テスト方法2〉
・小皿に少量のジャムをとり、冷ます。
・手で触れる程度の温度になったら、ジャムの真ん中を横切るように指で押してみて、表面にしわが寄るようなら、出来上がり。
・しわが寄らないようなら、再び火にかけて煮詰める。

  
※煮詰め具合にも好みがあるので、1回作ってみた具合で、上記を基準に調節してください。
※テストなしで、適当に煮詰めてもよいが、煮詰め過ぎるとゼリーのように固まってしまうので注意。ジャムは冷めると硬くなるので、熱い時にはゆるめに見えるくらいでちょうどよい。

9)ジャムが出来上がったら、熱いうちに瓶に詰める。
・レードル(お玉か、大きなスプーンでも可)で瓶の口すれすれまでジャムを流し込む。途中で瓶の中に大きな泡ができたら、スプーンなどで空気を抜いておく。ジャムが熱いので、瓶を支える手に火傷をしないように、オーブンミトンか鍋つかみを使ってください。
・瓶の外に付いたジャムは、布巾かキッチンペーパーを湿らして綺麗に拭き取る。

  

・瓶の口に2)で切ったパラフィンをのせて、その上から蓋をする。
※こうしておくと、常温でも長持ちします。風通しのよい冷暗所で保存し、一旦蓋を開けた後は、冷蔵庫で保存すること。

  

〈応用編〉
☆好みの甘さで作るなら
 もっと甘いほうがいい、もっと酸っぱくてもいいという方は、お砂糖の量を加減してみてください。
 その場合、あまり砂糖を減らすと、いたみやすくなるので注意。砂糖が少ないジャムは、長く保存しないで、早めに食べきってください。
 また、甘味は冷やすと熱いときより弱く感じます。煮ながら味をみるときは、好みより少し甘めにしておきましょう。そうすると、冷めた時にちょうどいい甘さになります。

☆たくさん作ったら
 ビンに詰めてフタをしてから、蒸気が上がった蒸し器で30分蒸して、ビンの中の余分な空気が抜きます。蒸し器から出して、冷めたら、ビンの外側をきれいに拭きます。こうしておくと、フタを開けないで、湿度が低くて涼しいところにしまっておけば、常温でもかなり長く保存できます。
 ※フタを開けたら、冷蔵庫で保存してください。