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平成23年(2011年)の東日本大震災から間もなく11年目を迎えます。この間、各地で地震や豪雨、強風などによる災害が相次いで発生しました。
このような災害の記憶を風化させないために、全国文学館協議会が全国の会員館に呼びかけ、毎年、共同展示「3.11文学館からのメッセージ」を開催してきました。10回を一つの節目として、今回が最後の共同開催となります。
今年も当館はこの共同展示に参加し、3月5日(土曜日)から4月17日(日曜日)に開催する春季展「あの人が見た実篤 実篤の交流関係」において、コーナー展示「実篤と2度の震災」を行います。
武者小路実篤は、大正12(1923)年の関東大震災と、昭和5(1930)年の北伊豆地震という、2つの大きな震災を経験しています。
関東大震災が発生した時、実篤は宮崎県に自ら創設した「新しき村」に居住しており、難を逃れました。しかし、東京・麹町の実家を心配した実篤は混乱の中で上京します。幸い家族は無事でしたが、家は全焼し、生まれ育った東京の街は壊滅的な被害によって大きく姿を変えてしまいました。
それから7年後、1930年(昭和5年)11月26日に北伊豆地震が起こります。伊豆の定宿に滞在していた実篤は、人生で初めて大きな地震を経験しました。実篤は無事だったものの、街は大きな被害を受け、死者も多く出ました。実篤は、自分が無事だったのは、泊まっていた部屋が関東大震災後に建てられた頑丈な建物だったからだと述べています。
関東大震災からの変化が、実篤を救ったといえます。
コーナー展示「実篤と2度の震災」では、7年の間に経験した2度の震災を実篤がどう感じたか、当時を振り返って書いた原稿などから探ります。
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