平成17 年12 月より稼働しております、情報提供システム（収蔵品データベース、来館者利用情報提供システム、映像視聴システム、ホームページの総称）の機器の一部入れ替えに伴い、データの充実、検索精度と利便性の向上をめざして、システムの一部を改修しました。

収蔵品データベースでは、データ整備を進め、タイトル名のヨミと著作者名のカナ、西暦を検索項目に入れることによって、より検索の精度を高めることができ、また、西暦での並べ替えや絞り込み検索もできるようになりました。

検索後の一覧表示では、これまでは表示していなかった、日付や、図書などで頻繁に利用される発行者を表示項目に増やし、より資料を探し出しやすくなりました。

特に、当館のデータベースでは、図書、雑誌のデータは、奥付表記による入力をしていることから、例えば著作者名に「實篤」「実篤」という二つの表記があり、これまで漢字で検索すると、同一人物でも一方の表記のデータを漏らしてしまう欠点がありました。今回、カナ検索が可能となり、「サネアツ」で検索すると、該当する資料を一度に表示することができるようになりました。

また、膨大な資料の入力作業をより効率的に進めるための改修も行いました。

映像視聴システムでは、機器の入れ替えに伴いブルーレイ・プレイヤーを導入し、対応可能な映像作品では、より高画質の映像をご覧いただけるようになりました。

新たに上映作品として、「実篤の文学に親しむ１　愛と死」が加わりました。これまでは、主に武者小路実篤の生涯やその活動の解説をテーマとしていましたが、今回は実篤の文学作品により親しんでいただくために、作品の内容や執筆の背景などを解説するだけでなく、ハイライトシーンを表現力豊かな俳優による朗読で紹介し、作品世界や文章の魅力に触れていただこうという映像で、今後はシリーズ化していく予定です。

第一作は、当館に原稿が収蔵されており、現在も文庫本で読むことができる、昭和14 年に発表された「愛と死」を取り上げました。毎年開催している朗読会でもお馴染の俳優・松尾智昭さんと奈良井志摩さんによる朗読で、旧実篤邸の日本間で撮影しました。

さらに、来館者利用情報提供システムでは、平成17 年の稼働以降に新たに収蔵した作品・資料などから主要なものを追加、ホームページもコンテンツを増やし、より情報の充実をはかりました。

親しみやすい画面デザインとシンプルな内容構成で、これまで多くの方々に利用されてきた情報提供システム。これからも、当館の収蔵品や実篤に関する情報を充実させ、これらを活用して情報の公開や普及に努め、「武者小路実篤、白樺、新しき村」に関する情報センターの役割を担ってまいります。