調布市武者小路実篤記念館

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トピックニュース

「トピックニュース」は、実篤記念館の事業活動をご紹介する記事で、
過去に館報『美愛眞』に掲載されたものを、再編集し掲載しております。

*日程や名称、執筆者の肩書きは、発行時のものです。

館報『美愛眞』3号 より2002年9月30日発行

旧実篤邸、永く残していくために

武者小路実篤は、清水と緑を求めて、昭和30年12月、70歳の時に東京都調布市入間町荻野(現在:若葉町)に移り住みました。最寄り駅が京王線仙川駅ということで、実篤は「仙川の家」と呼び、昭和51年に亡くなるまで20年間をここで暮らしました。

築47年が経過した邸宅は、建物や様々な設備器具などが老朽化したことから、後世に永く残していくために、平成9年に専門家による調査を行い保存計画をつくりました。これを基に今年6〜9月に大規模な改修としては14年ぶりの保存・改修工事を実施しました。

これまでも、改修や修理工事をしてまいりましたが、今回は、居室の前にあるベランダ部分を大きく改修しました。実篤存命中の増築工事で、ベランダの下部に壁を造り、倉庫として使用していましたが、これにより、床下の通気が悪くなり、この部分の建物の痛みをひどくしていました。このため、創建当初の姿にもどすことにより、通気性のよい状態にしました。

実篤邸は、池の近くにあり、当初より樹木が茂り、湿気が高い環境にあります。しかし、土地が傾斜地のため、高床構造の建築となっていたことから、かえって、通気性がよく、家屋の下は、問題の箇所以外は、良好な状態となっています。

反対に傾斜地であることから、雨水による土砂の流出が激しく、一部土台が露出しておりました。このため、家周辺の雨水を流す方法に工夫をしたり、土砂流出対策、床の柱の補強を施しました。

こうした、様々な保存・改修工事や、毎日の管理により、今後も武者小路実篤の生活や制作の現場を伝える貴重な建物として、旧実篤邸を永く残してゆくための努力をしてまいります。

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旧実篤邸は、普段はテラス側からガラス窓越しに仕事部屋と応接間の見学ができます。毎月第一・第三土曜日(5,10,11月は毎週土曜日)には、午前11時〜午後3時まで、旧実篤邸の内部に入ることができる公開日があります。

今秋は、旧実篤邸保存・改修工事が終了するのを機会に、当館では特別展「仙川の家」を開催いたします。この特別展期間中には、より多くの方々に実篤の住まいを実感していただけるように、公開日を通常より増やします。

旧実篤邸特別公開日

10月26、27日
11月2〜4、9、10、16、17、23、24、30日
12月1日
(特別展期間中の土・日曜日、祝日)
時間:午前11時〜午後3時
(雨天の場合は中止)