調布市武者小路実篤記念館

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トピックニュース

「トピックニュース」は、実篤記念館の事業活動をご紹介する記事で、
過去に館報『美愛眞』に掲載されたものを、再編集し掲載しております。

*日程や名称、執筆者の肩書きは、発行時のものです。

館報『美愛眞』4号 より2003年3月31日発行

実篤作品に親しむ

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武者小路実篤記念館では、実篤の文学作品に親しんでいただくために、平成12年度より講座、講演会などを従来より内容を豊富にし、開講回数も増やして普及事業に取り組んでいます。

近年は文学作品を読む時間が減少する傾向にあり、また、実篤は生涯に六〇〇〇篇ともいわれる作品を執筆し、数多くの作品を世に出しているにもかかわらず、現在、簡単に人手できる文庫本は「友情」「愛と死」「真理先生」などに限られ、多くの作品に触れる機会が少なくなっています。

こうした中、より多くの方に作品に親しんでいただくために、平成14年度は二つの読書講座と朗読会を開催しました。

「三つの視角から「お目出たき人」を読む」
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講師‥滝田浩氏(二松学舎大学非常勤講師)
第1回「武者小路実篤初期の代表作「お目出たき人」の成立」、第2回「単行本『お目出たき人』の仕組みと戦略」、第3回「漱石・志賀・有島らの評価と武者小路の個性」

「お目出たき人」(明治44年発表)は、実篤自身の恋愛経験を下敷きに書かれた実質的な小説デビュー作です。この講座では、ひとつの作品を三つの視点から読み解き、講師の巧みな進行と豊かな話題で、専門的になりやすい内容も判りやすく、充実した内容の講座としてご好評をいただきました。
日‥平成14年9月8日、22日、10日13日(日)

「実篤から始めよう〜スローライフの時代にゆっくり・じっくり作品とつきあう」

講師‥武田秀夫氏(エッセイスト・元霞国語塾主宰」
第1回「友情」、第2回「愛と死」、第3回「幸福な家族」

実篤作品を読むことから、読書の楽しみを知っていただこうと、実篤入門篇として開催しました。人が生きて行く過程でたびたび問う基本の問題を題名にした、実篤の代表作をテキストにし、講師の広い読書経験からは、様々な角度から実篤と他の作家との比較を取り入れた内容で、読書への興味や広がりを持つきっかけとなりました。
日‥平成15年1月16日、2月13日、3月13日

朗読会「実篤を聴く」(第2回)

朗読作品‥「一休の独白」「仏陀と孫悟空」「平凡な四人の男の会話」「だるま」
演出一川和孝 出演‥中野順二・藤澤健志・上村隆弘・倉田照三

日‥平成15年1月25日(土)
今回は朗読会の第二弾で、独特の世界を持つ実篤の短編戯曲を取り上げました。実篤作品が演者により生命が吹き込まれ、その魅力や言葉の持つ意味を引きだし、作品鑑賞の別の面白さを知る機会となりました。
実篤記念館では、今後もこうした講座や朗読会をとおして、より作品に親しみ、魅力を感じていただくための様々な機会を企画してまいります。