調布市武者小路実篤記念館

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トピックニュース

「トピックニュース」は、実篤記念館の事業活動をご紹介する記事で、
過去に館報『美愛眞』に掲載されたものを、再編集し掲載しております。

*日程や名称、執筆者の肩書きは、発行時のものです。

館報『美愛眞』9号 より2005年12月27日発行

「わたしの選んだ一点」
〜投票結果のご報告〜

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調布市制50周年・開館20周年を記念して、本年5月から7月にかけて実施した「わたしの選んだ一点」へのリクエストでは、お陰を持ちまして一、五〇八件の投票をいただきました。

当館が所蔵する実篤書画から候補作品一二〇点を選び、広く市民や来館者に「好きな一点、思い出の一点」を選んでいただいたもので、結果は別表の通りです。

一位となった「野菜図 君は君」は当館でもシンボル的な作品で、リクエストに添えられたコメントにも「実篤といえばかぼちゃ」「実篤らしい」といったものが目立ちました。また、上位十位までを淡彩画が占め、実篤の書画の印象として圧倒的であることが分かります。

全体に共通して言葉に惹かれたというコメントが多く、「今の自分の心境」「心にしみる」「本当にそうだと思う」など共感や感銘、「ほっとする」「人生の応援歌に聞こえる」など癒しや励ましを感じているのが分かります。「実家の玄関にかけてあった」「友人の結婚のお祝いに送った」といった思い出を書かれた方も少なくなく、実篤作品が生活の中に息づいてきたことを物語っています。

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一位が圧倒的に票を集めた一方で、一二〇点の候補作品中無票は九点のみ、また一票だった十七点を含め十票未満の作品が六十七点あり、技法やモチーフを超えて幅広い作品に支持をいただきました。

投票と合わせて実施したアンケートでは(無回答あり)、調布市内在住が七九五名、次いで東京都内が四六三名と来館できる近隣の方が多くなっていますが、北海道や九州・沖縄からの投票もあり、実篤作品への関心が全国に亘っていることが改めて実感されました。

男女比は男性五四八名、女性七七二名、年代としては、一般の投票では一位が60代、二位が50代、三位が40代で、これは来館者の分布と重なります。

このほか市内の小・中学校のご協力で、子どもたちからも五三一件の投票をいただきました。

小・中学生からのリクエストでは、南瓜の絵にはほとんど票が入らず、油彩の風景画や、淡彩・油彩を問わず白百合を描いた作品が票を集めるなど、一般とは違う傾向も見られました。「張子虎」や「だるま」など可愛い絵柄に票が入る一方、実篤の自画像を「おもしろい」と評し、「バラ 共に咲く喜び」などでは言葉に対して「心のおくまでとどく」と書いており、子どもたちは思い掛けないほど深く受けとめてくれたようです。

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この投票結果を受けて、10月1日から11月6日まで、調布市文化会館「たづくり」一階展示室で「わたしの選んだ一点〜実篤書画の魅力」展を開催しました。上位四十五点をお寄せいただいたコメントとともに展示し、三十五日の会期中二、九〇二人が訪れました。

投票と展覧会を通して、普段全貌をお伝えする機会がない当館の所蔵作品を広く知っていただく機会となりました。