武者小路実篤記念館では、子どもたちに実篤や記念館、本や自然に親しんでほしいという思いを込めて、毎年、様々な講座を行なっています。2021年はオンラインという方法も取り入れ、自宅にいながら親子で楽しむことができるよう工夫しました。
その様子をレポートするとともに、作成した作品をキッズギャラリーにて紹介します。
親子講座「作ってみよう!植物で布を染める」
配信:
2021年4月から6月と2021年9月から10月 ※オンラインで実施
記念館から届いた材料キットを使って、動画を見ながら自宅で草木染めを体験しました。
実篤公園のビワの葉っぱを細かく切って、じっくり煮込んで染液を作ったら、そこに、結んだり、ビー玉やおはじきを包んで輪ゴムでしばったり、思い思いの細工をした布を入れます。しばらく煮込んだ布を広げてみると、白い模様が素敵なピンク色のハンカチの出来上がりです。
動画では講師の先生とドングリのキャラクターが解説し、葉っぱを触ったり、煮出した香り匂いだり、楽しみながら作りました。遠くに住んでいたり、小さい弟妹がいたり、なかなか足を運ぶことが難しい人も参加することができました。
特別篇「実篤に挑戦! 色紙に筆と墨で絵をかこう」
日時:
2021年4月17日(土) ※対面で実施
筆と墨で絵を描くことを楽しんだ実篤のように、色紙の作品を完成させました。
和紙に筆と墨で絵を描いたことはあまりないので、まずは先生から線の描き方や色の混ぜ方の工夫などを教わります。練習しながら、いろいろな花や野菜の中から描きたいものを決め、いざ本番。簡単な落款印も自分で作り、完成した色紙に捺します。すこし難しかったけれど、楽しく描けて、またやってみたいという気持ちになりました。
作ってみよう!私だけの本 ※3回連続
日時:
2021年8月14日(土)・8月15日(日)・8月19日(木) ※対面で実施
12ページ分の紙に絵や文をかき、ハードカバーの本に仕上げました。
毎年、大人気のこの講座は、どんな本にしようか内容を考えるところから始まります。今回は全員が物語にしました。普段は使わないような大きい筆を使ってみたり、スポンジやクレパスなど、初めて使う画材にチャレンジしたり、思い思いの内容がかけたら、製本も自分でやります。すこし難しいけれど、硬い台紙や布をのりで貼り合わせると、立派な本に仕上がりました。表紙と奥付もつけて、世界に一つの私だけの本が完成です。
武者小路実篤記念館では市内を中心に学校との連携の充実に取り組んでいます。その中から、武者小路実篤・実篤記念館・実篤公園を活用して、児童・生徒が作品作りに取り組んだ活動を紹介します。
調布市立若葉小学校5年生 武者小路実篤に挑戦
図画工作
実篤記念館からほど近い若葉小学校の5年生が、初冬の実篤公園を訪れ、感じたことを絵と言葉で、色紙に表現しました。この授業は、1999年から20年以上も続く取り組みで、児童が見つけた草木、花、実、生き物、心にとまった風景や感じたことをスケッチブックにかき留め、学校で作品に仕上げます。
例年、学年から選ばれた15枚程度を実篤記念館で展示していますが、それ以外にも素敵な表現がたくさんあることから、新たな取り組みとして、学年全体の作品をホームページ上で紹介します。
子どもたちが見た実篤公園の情景が浮かんでくるようです。
※この取り組みについて2006年トピックニュースでも取り上げています。
実篤記念館で梅もぎ体験
日時:
2022年6月12日(日曜日)
実篤記念館の中庭には、実篤が創った共同体「新しき村」から贈られた梅の木が3本植えられています。
コロナ禍以前は梅ジャムを作る講座を行ってきましたが、今年度は梅の木から実を直接収穫する体験ができる講座として開催しました。梅の実は、子どもが手を伸ばせる高さにもあり、高い枝に鈴なりの梅を脚立に登ってもぐ参加者も見られました。
最後に、梅ジャムのレシピと新しき村の解説シートを参加者に配りました。
たくさん梅を収穫できてうれしかった、なかなか出来ない体験ができてよかった、との感想が寄せられました。