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会期:2025年3月15日(土曜日)から4月20日(日曜日)
武者小路実篤は、自然が作り出す造形美や生命力に感嘆し、南瓜(かぼちゃ)をはじめ様々な野菜と果実を描こうと絵筆をとり、目を凝らして夢中になって描きました。晩年まで描き続け、味わいのある世界を作り上げました。
本展覧会では、淡彩画の屏風「自然之傑作集(しぜんのけっさくしゅう)」のほか、野菜や果実を描いた実篤の画を中心に紹介し、これらのモチーフを晩年まで描き続けた背景を、実篤の言葉やエピソードを交えながら探ります。
会期:2025年4月26日(土曜日)から6月8日(日曜日)
武者小路実篤は、今年2025年5月12日に生誕140年を迎えます。東京で生まれ育った実篤は、学生時代を過ごした学習院で多くの友人と出会い、24歳で雑誌『白樺』を創刊して歩み出した文学の道、33歳の時に始めた新しき村の活動、40歳を前に本格的に取り組み始めた書画の制作など、多岐にわたる活動の中で多くの人と交流を重ねました。
岸田劉生や堅山南風ら日本近代美術を代表する画家が実篤をモデルに絵画を描き、文壇では白樺同人をはじめ、佐藤春夫や久米正雄らが実篤の人柄や文学作品ににじみでる人間性に言及しています。
本展覧会では同時代の文学者が著した印象や人物像、芸術家が絵画や彫刻で表現した肖像、田沼武能や林忠彦、坂本万七、吉田純ら写真家が撮影したポートレイト、妻や娘から見た父・実篤の姿など、さまざまな「実篤の肖像」をとおして「武者小路実篤」という人物を今一度とらえ直す機会とします。
会期:2025年7月5日(土曜日)から8月31日(日曜日)
みなさんは武者小路実篤を知っていますか?
実篤には3つの仕事の柱がありました。1つめは作家としての仕事、2つめは画家としての仕事、そして3つめに「人間らしい生活」を目指して創設した新しき村に関する仕事です。実篤はどんな人物で、90年の生涯でどんな作品を作り、どんな活動をしたのでしょうか。小・中学生や、実篤について初めて学ぶ人にもわかりやすく紹介します。
また、今年は調布市制施行70周年に当たります。実篤が仙川の地(現・実篤公園)に移り住んだのも市制開始と同じ昭和30(1955)年でした。当時の様子を特集するコーナーを設けます。
会期:2025年9月6日(土曜日)から10月13日(月曜日・祝日)
雑誌『白樺』は西洋美術を広く一般に紹介したことでも知られています。その中心人物であった実篤は、西洋にとどまらず、東洋や日本の美術にも関心を広げていき、自分の手が届く範囲で古今東西の書画や工芸品を収集しました。「この世に生きる喜びの一つは、人間の純粋な心にふれることである。また美を愛することである」と語り、自分の心に響いた美術作品を集め、手もとに置き、日々楽しんでいました。
実篤を惹きつけた美術作品には、どのような魅力があったのでしょうか。本展覧会では、実篤が愛蔵した「名品」をとおして、実篤の芸術観を展望します。
会期:2025年10月25日(土曜日)から12月7日(日曜日)
旧熊本藩主細川家16代の当主で細川護煕(もりひろ)元首相の祖父に当たる細川護立(もりたつ/1883-1970)は、子どもの頃体が弱く、学習院時代に病気で2年休学したことで、実篤や木下利玄、志賀直哉らと同級となり、同じ年に卒業しました。彼らは美術に高い関心を持ち、晩年まで親しく交友しました。
『白樺』や新しき村の運動を充実させようと全力投球し、自転車操業を続けた実篤にとって、護立はまさに「苦しい時は神だのみ」的な存在でした。資金繰りに行き詰まっては、たびたび借金を申し込み、護立もまた、実篤への応援は惜しまなかったことが書簡からうかがえます。
細川家伝来の美術品等を収蔵する永青文庫に現存する、実篤の「野菜図屏風」を始めとする絵画、写真、書簡等ゆかりの品々を中心に、ポール・セザンヌや白隠禅師といった共に愛好した芸術家への思いを添えて、生涯にわたる信頼関係の軌跡をたどります。
会期:2025年12月13日(土曜日)から2026年1月25日(日曜日))
実篤は季節が移り変わるごとに詩を書きました。「一寸(ちょっと)おどっても見たい/春の日。」と春には心を躍らせ、「よろこべ。夏が来た。/生命の燃え上る夏が来た。」と夏からは力を得、「秋になった/心の底の底まで秋がしみこむ。心がすがすがしくなる。」と秋には心を落ち着かせ、「冬になった/寒い、だが身がひきしまる/正月らしい風がふく、/新な力をもって立上りたくなる。」と冬の寒さと決意を表現しました。四季折々の草花や野菜を描いた画、短編戯曲「秋の曲」などの文学作品、季節にまつわるエピソードなど、実篤が感じた春夏秋冬を紹介します。
会期:2026年1月31日(土曜日)から3月1日(日曜日)
自筆原稿は、筆者の思考の軌跡や性格、時代背景、印刷や出版の過程など、雑誌や本といった出版物とはまた違う情報の宝庫です。
当館が収蔵する武者小路実篤の直筆原稿300点余は、国文学研究資料館の近代文学者草稿デジタル化プロジェクトの一環として2箇年計画で画像データを公開します。公開を済ませた原稿を中心に、自筆原稿が持つ魅力を紹介する企画の第二弾となります。
また、2025年は戦後80年の節目の年に当たることから、実篤の戦争観を特集するコーナーも設けます。
会期:2026年3月7日(土曜日)から4月12日(日曜日)
実篤自身は版画作品を制作することはありませんでしたが、当館では、実篤友人の画家・岸田劉生や河野通勢が制作した版画、実篤が愛蔵したジョルジュ・ルオーやフランシスコ・デ・ゴヤの版画、小さいものでは清宮彬の蔵書票など、さまざまな版画を所蔵しています。それらは木版、銅版、石版、拓本など技法もさまざまです。当館所蔵の「版画」を一堂に会します。
開館40周年を記念し、今年度開催する各展覧会において、当館の設立から現在までを振り返るリレー展示を行います。設立の原点である、実篤邸や作品・愛蔵品を公共のものにと書き残した安子夫人の遺言から、開館当初の入場券や写真、これまで発行した特別展のチラシ、資料収集にまつわるトピックなど、様々な切り口で紹介します。