調布市武者小路実篤記念館

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展覧会

2024年度(令和6年度)展覧会概要(2024年4月〜2025年3月)

※都合により開催が変更・中止となる場合があります。最新の情報は当館ホームページやX(旧ツイッター)をご覧いただくか、電話でお問い合わせください。

春季展「美術雑感」実篤に影響を与えたもの

会期:2024年3月2日(土曜日)から4月14日(日曜日)

武者小路実篤は若い頃から美術に強い関心を持ち、生涯を通して美術に関する評論を多く発表しました。美術への情熱は深く、『白樺』時代には同人と共に白樺美術館設立を呼びかけ、51歳の時には西洋美術作品の実物を見るため欧米各地を旅行しています。また40歳頃からは自ら絵筆をとり、本格的に絵を描くようになりました。
本展覧会では、当館が所蔵する実篤が集めた美術作品を紹介。実篤は、真贋問わず作品が自身の参考になるものだと買い求め、観て、楽しんだと、後年語っています。実篤のコレクションは、西洋・東洋美術や工芸品など多岐にわたります。収集し、愛蔵した美術品から、実篤は何を感じ取り、どのように自身の作品に落とし込んだのでしょうか。実篤の美術論からの引用と、自身の書画作品を交えながら探ります。

 
   

春の特別展「仙川の家」武者小路実篤、終の住処での20年

会期:2024年4月27日(土曜日)から6月9日(日曜日)

「年をとったら水のあるところに住みたい」という子どもの頃からの夢を叶え、昭和30年(1955年)12月に東京・調布へ移り住んだ実篤。武蔵野の豊かな自然に囲まれて、午前中は原稿の執筆、午後は書画の制作に取り組み、親しい人々の訪れを迎えました。夫婦二人の静かな生活を送りつつも、次々と舞い込む仕事に励み、90歳で亡くなるまで忙しくも充実した日々を過ごします。
実篤が「仙川の家」と呼んだ邸宅は、平成30年(2018年)に国の登録有形文化財となり、建築から60年余りを経て再評価を得ます。また、令和に入り、机や椅子、腰掛け、敷物など、実篤が愛用した家具の制作元が相次いで明らかとなりました。本展覧会は、当館で平成20年に開催した秋の特別展「仙川の家」に近年の調査・研究成果を加えて再構築するものです。実篤自ら「仕事の完成の地」といった仙川の家での20年間を振り返るとともに、その暮らしを支えた建築や家具などを紹介します。

 
   

企画展「新収蔵品展」

会期:2024年6月15日(土曜日)から7月15日(月曜日・祝日)

当館では昭和60年(1985年)の開館以来、武者小路実篤に関する資料および研究情報のステーションとしての機能を果たすために、日頃から資料の収集・保存に努め、現在では、美術品や文学資料、図書、雑誌、印刷物などおよそ6万5千点を収蔵しています。
本展覧会では、令和2年(2020年)4月から令和6年(2024年)3月までに新しく収蔵した作品・資料と調査・研究の成果を紹介します。『白樺』草創期に実篤が文壇の先輩へ送った葉書や、永く親交のあった方が部屋にかけて日々眺めた実篤の画、武者小路家で再発見された愛蔵品など、明治・大正・昭和から現在へと大切に保存されてきた貴重な資料を、所蔵者から託された思いと共にご覧いただきます。

 
   

夏休み企画「知ってる? 武者小路実篤」

会期:2024年7月20日(土曜日)から9月1日(日曜日)

今年の夏休みを「実篤と出会う夏」にしてみませんか。武者小路実篤って本名?どんな人?何をしたの?なぜ調布に記念館があるの?といった実篤についての疑問から、原稿ってどんなもの?美術ってどう見るの?新しき村ってなんのために作られたの?などの一歩ふみこんだ内容まで、分かりやすい解説でご案内。子どもから大人まで、初めて実篤を知る人に向けた入門編の展覧会です。

 
   

秋季展「自筆原稿の魅力」

会期:2024年9月7日(土曜日)から10月14日(月曜日・祝日)

雑誌や本となって世に出る前の直筆原稿には、推敲の跡が残り、筆者の思考の軌跡を読み取ることができます。実篤が原稿執筆に使用する用紙や筆記用具は様々で、字の癖や用紙の使い方などには、筆者の性格や時代背景も映し出されています。また、原稿に記された編集の際のさまざまな指示からは、印刷や出版の過程を知ることができます。
当館は武者小路実篤の直筆原稿を300点余収蔵しています。このうち約半数について、今年度、国文学研究資料館の近代文学者草稿のデジタル化プロジェクトの一環として画像データを公開いたします。これを機会に、自筆原稿が持つ魅力をあらためて紹介します。

 
   

秋の特別展「式場隆三郎と武者小路実篤」

会期:2024年10月26日(土曜日)から12月8日(日曜日)

式場隆三郎(1898-1965)は、精神科医の傍ら、ゴッホを始めとする芸術家の研究や民藝運動、放浪の画家・山下清の後援など多岐にわたる活動で知られ、近年改めてその業績に注目が集まっています。
式場は大正7年(1918年)に実篤が創設した共同体・新しき村の新潟支部を作り、機関誌に医学生・垣沼隆三郎の名前で新しき村に病院を作る構想を発表するなど、実篤とも深いつながりがありました。結果的には、その構想が実現することはありませんでしたが、式場の医師としての原点は新しき村にあったと言っても過言ではないでしょう。『白樺』や新しき村をはじめ、ゴッホや民藝運動への関わりなど、式場と実篤の共通項をトピックとしながら、2人の交友を紹介します。

 
   

企画展「心たのしく画をかく」油彩画の表現

会期:2024年12月14日(土曜日)から2025年1月26日(日曜日)

40歳を前に絵筆をとると、日々、精神を込めて画を描いた実篤。筆と墨を使って一発勝負で描く淡彩画と異なり、油彩画では幾度も絵の具を重ね、自分が感じた美しさをキャンバスに表そうと、真剣に向き合った姿勢を絵から感じることができます。若き日の作品から89歳で描いた最後の作品まで、実篤の油彩画を一挙にご覧に入れるとともに、実篤が綴った描画への思いを紹介します。

企画展「生活を彩った実篤グッズ」

会期:2025年2月1日(土曜日)から3月9日(日曜日)

昭和30年代から40年代(1955年頃から1974年頃)にかけて、独特の野菜や花の絵に「仲よき事は美しき哉」といった言葉を添えた実篤の書画が、様々なものに写し取られて身の回りにあふれていた時代がありました。食器や風呂敷をはじめとした身近な日用品にも絵柄が用いられ、これらのグッズによって実篤を見覚えた人も多かったのです。当館で所蔵する、商品化された実篤作品を中心に紹介しながら、時代が実篤の書画に求めたものを探ります。

<移動展>「銀幕が映す実篤の文学(仮称)」

会期:2025年2月6日(木曜日)から3月23日(日曜日)

会場:調布市文化会館たづくり1階 展示室
   (調布市小島町2-33-1/京王線調布駅中央口改札 広場口出口徒歩4分)
共催:公益財団法人 調布市文化・コミュニティ振興財団
   一般財団法人 調布市武者小路実篤記念館

「映画のまち調布シネマフェスティバル2025」の会期に合わせて、武者小路実篤の文学作品を原作とした映画を展示で紹介します。「結婚悲劇」「ある父」「その妹」「世界を賭ける恋」「いのちの朝」「愛と死」、第二次世界大戦中と戦後の2度にわたり制作された「幸福な家族」、尾崎紅葉の代表作を実篤が戯曲化した「金色夜叉」の9作品について、当時のポスターやチラシ、台本、スチール写真、雑誌記事ほか、また実篤の原稿や著書、映画に関する随筆など、様々な資料を展示し、「映画」を通じて実篤文学に触れていただく機会とします。併せて、木村荘八、小國英雄、柳井孝雄ほか、映画制作に携わった人たちと実篤の深い交友についても紹介します。

春季展「自然之傑作集」実篤が描く野菜と果実

会期:2025年3月15日(土曜日)から4月20日(日曜日)

武者小路実篤は、自然が作り出す造形美や生命力に感嘆し、南瓜(かぼちゃ)をはじめ様々な野菜と果実を描こうと絵筆をとり、目を凝らして夢中になって描きました。晩年まで描き続け、味わいのある世界を作り上げました。
本展覧会では、淡彩画の屏風「自然之傑作集(しぜんのけっさくしゅう)」のほか、野菜と果実を描いた実篤の画を中心に紹介し、これらのモチーフを晩年まで描いた背景を、絵画だけでなく実篤の言葉やエピソードを交えながら探ります。