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実篤の生涯
武者小路実篤(むしゃこうじ さねあつ/1885〜1976年)は、明治43年に友人・志賀直哉らと雑誌『白樺』を創刊し、以後、60年余にわたって文学活動を続けてきました。小説「おめでたき人」「友情」「愛と死」「真理先生」、戯曲「その妹」「ある青年の夢」などの代表作、また多くの人生論を著したことで知られ、一貫して人生の賛美、人間愛を語り続けました。

大正7年には「新しき村」を創設し、理想社会の実現に向けて、実践活動にも取り組みました。
また、『白樺』では美術館建設を計画し、昭和11年の欧米旅行では各地の美術館を訪ねるなど、美術にも関心が深く、多く評論を著しています。
自らも40歳頃から絵筆をとり、人々に親しまれている独特の画風で、多くの作品を描きました。
実篤はその生涯を通じて、文学はもとより、美術、演劇、思想と幅広い分野で活動し、語り尽くせぬ業績を残したのです。